国内における貨物輸送量は横ばいに関わらず、年々、船員の数は減り、離職率は変わらず高いままです。

雇用人数の少なさは、労働力のみならず、船員の層の薄さを招き、安全意識にも影響が出てしまうのが現状ではないでしょうか。

わたしも現役時代は、ことの重大さを理解していませんでしたが、今では海運会社の担当者が、頭を悩ませるポイントとして心得ています。

今回は、決して見逃すことのできない船員の募集と雇用について書いていきます。

求人サイトと自社サイトとの、募集の違いから把握することが大切である

雇用に関して、Webで検索を掛けても、出てくるのは国土交通省や大手の転職サイトが多い傾向にあります。

理由としては、自社サイトを持っている会社が少なく、求人サイトに頼らざるを得ないことが挙げられます。

全体の海運会社からしても、過半数が自社サイトを持っていないのです。

逆に、船員の雇用をホームページから採用した!という会社は稀です。

自社サイトは、自社のアピールを好きなだけ出来る反面、検索上位に上がるのに時間を要します。

求人サイトのメリットは、船員から会社を見つけることは容易なところです。

しかしながら、会社が望む人が来るかどうかは別問題であることを、予め把握することが、ポイントとなってきます。

応募に来る人材は、募集の仕方で決まる

私が前職、所属していた会社は、優秀な船員を採用し続けた印象がありました。

雇用された方の話を聞いてみると、実際に働いている人の紹介もあれば、会社サイトを見て申し込みした方もいらっしゃいました。

仕事のできる人の周りには、やはり仕事ができる人が多いことに気付かされます。

また、会社サイトを確認をしてみると、デザインは完璧までいかなくとも経歴・役職・年齢など、募集要項が鮮明で、船員にとても伝わりやすい内容となっています。

誰でも検索できるWebだからこそ、欲しい人物像を定めて「この会社は自分のことを欲しがっている」、「自分はお呼びではない」と船員に思わせるフィルターを設けることが大切です。

そんなことやったら、誰もいなくなってしまう!

つい思いがちですが、条件を強調することは、採用してくれたら大事に扱う印象を与えるので、かえって社の価値を高めることに繋がるのです。

船員雇用は、会社と船の連携が必須

船側と会社側で、採用人員について誤差が生じることは、往々にしてあります。

昇進も予定せず、人が足りている役職を採用しても、船側は戸惑います。

逆に、人が足りていない役職に対して、的確なフォロー採用がないと不満の声も上がるでしょう。

船をよく理解している担当者は、応募者の能力を見るのが上手く、船とのコミュニケーションが取れているので人事採用も的確です。

担当者が船を理解していなかったとしても、休暇中の船員に頼んで、会社と船事情を知った上で、面接に同席してもらうスタイルの会社もあります。

困難な状況設定にどう対処するかを質問するなどの、より構造化された手法の方が、応募者の将来性を測る判断材料としてはるかに優れている。

引用元:シーナ・アイエンガー. 『選択の科学』.文春文庫,2018

大事なのは、会社と船が寄り添って、船員雇用という問題を共に解決することです。

Web上でターゲットを絞り込み、適正な担当者が、適正に面接に臨むことが雇用の成功率を上げる要因だと言えます。

今働いている船員を大切にし、呼び水のように活用するのも手です。

ぜひ、船員雇用の1つの参考にして頂ければと幸いです。