高い制作費を払ったからといって、お問い合わせが多くなるとは一概に言えなさそうです。。
海運会社さんとお話をすると、残念なお話を聞く機会が少なくありません。
確認させていただくとビジュアルは良く、写真や動画も美しい、業務内容もキレイに説明されています。
しかし肝心の成果が出ない。
一見は万人受けしそうなサイトに見えるが、重要な部分が抜け落ちているケースが往々にしてあります。
Web制作が高額な理由と、制作を依頼する場合の注意点を考察していきます。
「Web制作は専門性が高いから高額である」という勘違い
まずWeb制作には様々な立場の人が関わります。
会社独自のデザインで制作を依頼する場合、簡単に説明すると以下の人員の工数がかかります。
- プランナー:お客様からの要件定義を整理しご提案
- ディレクター:提案内容を具体化するために以下3者(クリエイターさん)を管理、品質チェック
- ライター:文章作成
- デザイナー:Webサイトのデザインや導線を作成
- コーダー:HTMLやCSS、JavaScriptといった言語を用いてソースコードを記述することで、Webサイトをブラウザ上に構築
必要であればカメラマンや動画クリエイターさんが付きます。
もちろん兼任はありますが、お客様からのご要望を具現化するために、何層にも渡って役割分担されることが通常です。
1つのサイトに5〜7名がついて、数ヶ月かけて制作を行うため100万円以上かかることも頷ける気もします。
請求書の中には書かれていないことが多々ありますが、制作とは直接的に関係のない、広告費や事務所賃貸なども費用に含まれています。
制作会社としては制作費のほとんどが人件費のため、できる限り高く見積もって、人員の工数を減らし、利益を残せるようにしたいところ。
更にWebサイトを公開してもドメインやサーバ、システム面の保守管理が必要なため、ほとんどの会社では公開後も管理費用(数千円〜数万円)が毎月発生します。
「売ったら終わり」ではなく、売った後も収入が入り続けるように何かと提案してきます。
ひどい制作会社は「管理費用を払わないとサイトが見れなくなる」と脅し、搾取し続けるところも。
ITリテラシーが低い海運会社の足元を見る制作会社が、多く存在することも現実なのです。
外観が美しいだけで、「目的」に無頓着な制作会社が多い
最も耳にする失敗談は、美しいだけでサイトに期待された結果が伴わないことです。
制作費100万円以上をかけて制作し、毎月の保守管理費を数万円払っているのに、求人問い合わせが全然ないと嘆く会社さんもいらっしゃいます。
Webサイトはラブレターと一緒で、送る相手(ターゲット)によって内容が全く異なります。
求人を促進したいのか、取引先を沢山つくりたいのかによって、サイト構成も文章の書き方も変化していくものなのです。
逆に誰にでも理解されるWebサイトを目指すと、内容が中途半端に終わり、誰にも共感されません。
そのため自社の強みの分析やサイトの方向性、記事の内容を決めることは重要なのです。
自社の強みを会社内部だけ分析することも困難なため、制作会社の営業やプランナーが、コーチングと要望整理のスキルが高いか否かも大切な指標になるでしょう。
Webサイトは制作期間も大切ですが、公開後も大切です。
記事を更新しないWebサイトは、読者から活動が乏しい印象を受けるため、会社イメージを下げることもあります。
公開後の方向性を決めない制作会社も多いため、要注意です。
適正価格で親身になってくれる上に、目的に合う運用が可能な制作会社を選ぶ
高額な金額を払ってキレイなWebサイトをつくり結果が出ない会社もあれば、良心価格でデザインが多少粗くても結果を出している会社は海・陸にかかわらず沢山あります。
結果の差は、先述の「目的」と「更新頻度」が起因すると私は分析しています。
数々のSEO担当車やWeb担当者とお話してきた中で、自社をよく分析しており、サイトの方向性が決まっている会社は上手く運営しているようです。
親身になり、良きパートナーとなってくれる制作会社を選びましょう。
私も以前制作させていただいた日本産業海運株式会社さまも、制作後に求人の問い合わせが来たと嬉しい連絡がありました。
要望整理させていただく中で、自社独自のデザインは不要で予算30万円をお考えとのことで、有料のWordPressテーマを原価を見ながら一緒に選び、購入しました。
一部デザイナーさんの力をお借りしましたが、基本的には海運会社さんの窓口に立った方と私で制作を進めたので、ご要望通り30万円前後で納品させていただきました。
また海運会社さま側でドメイン及びサーバを取得していただいたため、公開後の課金は発生しておりません。
「海運会社さんや海洋レジャー会社と繋がり、業界を盛り上げる一助になりたい」一心で包み隠さず、信頼関係の構築のために原価や工数をほとんど共有した上で制作させていただいております。
システムの更新方法も説明し、自社で触れるように引き継ぎました。
制作のみならず、船もWebも知っている身として海運会社さんからのセカンドオピニオン的な存在として、制作依頼前に相談を受けることもあります。
Web制作は決して安価なものではなく、失敗したくないものです。
システム面から不備があれば、公開後に直すのは至難の業です。
Webサイトは会社にとってかけがえのない大切な資産になるものだからこそ、制作会社さんは慎重に選びましょう。