sail tech 川名
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2025年6月に母校の入学生募集停止のニュースを知りました。

本件を機会に教育機関について考察します。

2025年6月20日に母校にて以下のお知らせがありました。

国立館山海上技術学校については、近年、教員の確保が難しく、教育体制を維持することが厳しい状況となっているため、令和8年度より入学生の募集を停止することといたしました。
引用元:国立館山海上技術学校の運営について
https://www.jmets.ac.jp/tateyama/news/n-2025062001.html

一部のメディアでも原因として教員不足であるとの見解もあります。

海運業界は深刻な人手不足の為、このお知らせに驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

何も対策がなければ、今後の教育機関の縮小も必至な為、考察します。

入学生募集停止の背景を考察

教員不足の解像度を上げると、どのような教員が不足しているのでしょうか。

小樽海上技術学校及び唐津海上技術学校は既に航海専科に変更している為、機関部が不足しているのは明白です。館山では甲板部の教員がどの程度減っているが不明ですが、機関部の教員が減っていることは予想できます。

船員すら機関士不足な為、機関部の教員が不足していることは自明です。

独立行政法人海技教育機構の教員になる為には三級海技士の保有や一定の乗船履歴、全国転勤が可能なこと等が条件とされており、就職のハードルは高いといえます。

機関部船員及び教員への成り手の不足、就職へのハードル等の複数の要因により、教育体制が維持できなくなったと予想します。

今後の教育体制はどうなる?

現在、一部の記事では閉校の見通しは立てられています。

館山海員学校は1963年に創立しました。

2001年に館山海上技術学校となり、現在に至ります。

創立から60年以上経ち、校舎の老朽化は否定できません。

しかし設備が整っていることから、筆者としてはこのまま学校自体が無くなることは考えられません。

尾道海技学園や関門海技協会のように財団法人が運営するパターンも考えられます。

船員不足は喫緊の課題の為、教育機関は必須です。

今後は業界全体として、どのような方針となるのか注目です。